「米国債の売却が加速しており、国債30年利回りが40年ぶりに最大の上昇幅を記録している。債券の金利と価格は反対方向に動くため、これは米国債価格の異例の大暴落を示している。」
日本以外の米ドル依存の国の物価が急上昇してインフレとなっている原因は、中露等による米ドル売りではないのか、と考えているんですよ、これはマスコミは一切報道しませんが。
なぜ中露等は米ドル債を売却するのか、というと特に中国は経済成長の過程で決済通貨を米ドルと定められ、中国元とのペッグ制を前提とした経済体制となっており、そうすると中国は常に外貨準備として米ドルの保有を義務付けられることになる、つまり、中国は経済成長するに従い米ドル需要が発生し、中国の経済成長が原因で生じた米ドル債は米ドル経済への無償の投資資金と化すから、それが米国の消費市場を拡大させ、余剰資金の運用として、株式市場を押し上げる要因と化す、しかし、決済通貨の価値は米ドル決済を前提とした貿易、消費市場の拡大を前提としするものだから、決済多様化を前提とした場合、米ドル需要減退が予想される、特に、実際に、米ドルが極端なインフレ化している現状から、やはり、米ドル債は売り、という判断に傾くことになる。
中露等は、決済通貨の多様化として実際にBRICS通貨を提案しており、恐らく、今後の基軸通貨の主役は、米ドルからBRICS通貨に入れ替わられるということになってしまうのだろう。
翻って、日本はどうすべきか、という問題だが、多分、中露等は米国に比して人口数が圧倒し、今後の開拓余地が大きいBRICS市場への参入は不可避で、米国一辺倒は困難と読んでいるに違いないだろう、やがて主役と化すだろうBRICS通貨を決済条件と課されれば、日本としてはそれに従うしかなくなる、そうすると米国債売りは合理的、という結論になる。
かつて、橋本龍太郎は何かの講演会で、米国債を売りたくなる、発言をして、米国側を激怒させ、政治家として失脚した、というのは有名な話ですが、日本は米国から米国債売りは禁じられておりますが、あくまでも口先行政指導のようなもので、法的拘束力があるわけではありませんが、日本としては米国からの報復を恐れて、米国債売りをするどころか、官民合同で米国債買いを推奨しているのが現状なんです。中露等の米国債売りの肩代わりを、また日本がさせられるというのが当然の結末でしょう、その結果、米ドル自体の市場価値をある程度保てるという効果はあるのだろうと思われますが、それも限界があるだろう・・
私は予想するのは、米ドル売りによる米国市場金利のさらなる急上昇、米ドルの大幅な下落、米国株式市場の暴落、それに従って、日本株式市場の暴落、円高、これを阻止すべく、政府日銀によるいつもの日本国債の利回り低め誘導、米ドル買いの市場介入というところでしょう。