私は、バブル崩壊の起点となった1990年頃は今は無き兵庫銀行のベンチャーキャピタルで活動としてましたので、本当に渦中にいたんですよ。バブル崩壊のきっかけは、当時の大蔵省による総量規制が原因だったんです。当該バブル崩壊でもって、ご存じの方もおられるでしょうけど、その渦中でバブルの最先端で踊っていた兵庫銀行は経営が崩壊し、大蔵省の銀行局長が兵銀の陣頭にたって、自ら社長に就任して、兵銀倒産を阻止しようと頑張ってもらったんですが、預金流出がとめどなく継続することで、あえなく倒産となったのでした。
当時は、バブル最先端で踊ってたバブル銀行だった兵銀を筆頭に、政府系長期信用銀行や都銀、証券会社等軒並み金融機関は経営が傾いてしまったんですね、実際に、兵銀を筆頭に続々金融機関は崩壊、倒産してしまいました。長銀、日債銀、北拓、三洋証券、山一証券、と死屍累々となってしまった。私が大学を卒業したのは86年だったから、景気のよかったのは4年くらいでその後は30年にもわたるデフレ経済が蔓延し、正常な経済状態に立ち戻るには30年くらいの調整時間が必要だったのだろうと思われますね。
これが財務省のせいなのか、というと、財務省は確かに当時行き過ぎたバブル経済を鎮めようと総量規制を実施したことは事実ですが、実施後翌年には解除されているので、30年のデフレが一概に財務省のせいだということもいえないと思う。
私がいうのも何ですが、確かに財務省は無能な役所であることは事実ですね、総量規制解除後、市場の動揺を適切にコントロールすることはできずに、もはや当事者能力を失い、結局は、市場の自律的な回復能力に委ねるしかなかったのですからね。だからこそ、一般庶民感覚でいえば、現在の日本経済低迷の原因は財務省にある、だから財務省は解体するべきだ、という論調になっていくのかもしれませんね。
私の感覚ですが、財務省は全知全能の神のようにいわれていますが、はっきりいって無能なお役所です。だから、解体したからといって、問題が解決するわけではありません、なぜなら、無能な役所がひとつなくなったって、この社会に何の影響もないからですよ。