アメリカ人教育者、宗教家、札幌農学校などで教鞭をとったかのWilliam Smith Clark先生曰く、Boys, be ambitious.だと・・
訳して、少年よ大志を抱け・・ということなのかもしれないが、クラーク先生のいうところの ambitious とは、for that attainment of all that a man ought to be つまり、人間として正しいあるべき道を進め(私の訳です)と。
あるべき人間の道とは、カネ儲けでも名声を得る(money or selfish aggrandizement , evanescent thing which men call fame )ことではないのだ、と・・
これを一般に別に解釈して、世間一般の教育現場では、少年が大きな大志を持つことは正しいことであり、また望ましい方向性なのだ、というように言って、小学生等の子供に for money or selfish aggrandizement, evanescent thing which men call fameが達成できる道へ進みなさいとしてしまっているのだ。
かのクラーク先生の格言とはまるで違った解釈をされているように思われる・・これはなぜか・・要するに、翻訳が間違っているのだ。
ambitiousとは、語源から解するに、動詞のambireから派生しており、さらにambireを分解すると、am+ireとなり、訳すと「周辺を行く」という意味になる。つまり、「あっちこっち探し歩いたあげく到達する道」を指すという解釈ができる。
人間の最終的な到達点は、カネ儲けや名声を得ることではなく、それ以外の道を指すのだから、クラーク先生の格言の真意とは、少年は自分でも達成できる程度のそれなりの道を探しなさい、という意味なのだと私は解釈する。
そうすると、Boys, be ambitious.とは、少年よ、小志を抱け、ということになる。