アベノミクスは、米国から強要されたものだった。

「日銀出身の白川方明(まさあき)総裁(当時、以下同)は13年1月の会合で、政権の求めに応じ物価上昇率2%の目標を決めた。同年3月、白川氏の後任として安倍政権に起用された財務官僚出身の黒田東彦(はるひこ)総裁は、着任後すぐ大規模緩和に着手した。

 日銀の金融政策の大転換期にあたり、極めて重要な議事録となる。

 白川総裁時代、物価目標を「2%」と明確に定めて大規模な緩和をするという政権の方針に、日銀はあらがっていた。しかし総選挙での大勝という「民意」を背にした政権の圧力に最後は屈する。

 日銀は13年1月21、22日の会合で、2%の物価目標を盛り込んだ政府との共同声明を受け入れることを7対2の賛成多数で決めた。

 だが、議事録によると、投票権を持つ政策委員たちからは、目標達成は難しいとする意見が相次いでいた。

 反対票を投じたエコノミスト出身の佐藤健裕審議委員は「2%は現状対比でかなり高く、実現の難しい目標値を設定して中央銀行の信認が失われることを懸念する」と指摘。やはり反対したエコノミスト出身の木内登英審議委員は「当面1%の物価上昇率ですら、なお達成の目途が立っておらず、2%はあまりにも高い」と述べた。」

そもそもなんだけど、物価2%目標なんて導入する必要なんてなかった。

ドル円の関係で、圧倒的に円が強ければ円高になり、日本国内の消費はほとんど輸入なので、円高になれば輸入物価が下がり、それが名目上デフレと表現される。

一方、輸入物価が下がれば、国民の可処分所得が増加するので国民の懐は豊になる。

円高の影響で国内で製造される商品が輸出しにくくなり、貿易赤字になりドル獲得が減少しても円高が市場で是正され、現状然るべき水準に相場が落ち着く、そうなるべきだった。

かつて、朝日新聞の論説委員の原真人氏が、アベノミクスは自分が命名した論を展開するにあたり、「アベノミクスは名称は米国のレーガノミクスをもじったものだが、日本独自の政策だ」とかいうので、私は、公然と「アベノミクスのゼロ金利政策は、米国から命令されたものですよ」、というと、原氏は「いや、官邸主導で決めた」なんていうから、「安倍晋三は経済政策なんてわからないよ」と言い返したことがありました。

要するに、アベノミクスは、米国側から年次改革要望書という名の命令書でもって、日本側に強制されたものです。強制され、官邸主導でもって日銀に圧力をかけ、日銀がそれに屈した、ということなんでしょ、白川元総裁、日本の国益を鑑みて、アベノミクスは不適切な政策だった、といういことなんですよ。