平成16年4月1日をもって、弁護士法は張子の虎になった。

「行政書士法改正に反対する声明

日本行政書士会連合会は、行政書士法を改正し、行政書士が作成することのできる官公署に提出する書類に係る許認可等に関する審査請求等の不服申立ての代理権を行政書士の業務範囲とすることを求めてきたが、日本弁護士連合会をはじめ、日本司法書士連合会、日本土地家屋調査士会連合会、日本弁理士会、全国社会保険労務士会連合会等の反対を受け、2014年3月、不服申立て代理権の対象を、「現に行政書士が作成した書類にかかる許認可等」に限定した修正案を作成し、これを今国会に議員立法として提出させようとしている。しかし、同年4月25日、上記各団体は上記修正案についてもこれに強く反対する意見を発表している。

以下に指摘するとおり、このような修正をしたとしても、行政書士に不服申立代理権を与えることは国民の権利利益の擁護を危うくするおそれがあることから、当連合会及び当連合会所属の各弁護士会も、上記修正案に反対する。」

改正行書法

「行政書士の業務の安定性を確保し、国民に対するより質の高いサービスの提供を
確保する観点から、所要の措置を講じる必要がある。
① 法律の目的に「国民の権利利益の実現に資すること」を明記
② 社員が一人の行政書士法人の設立等の許容
③ 行政書士会による注意勧告に関する規定の新設」

先の行書法改正により、上記①②③が追加されたのですが・・

またまた法改正にあたり全国の弁護士会は大反対の気勢をあげて大騒ぎしたというわけです。

ま・・毎度毎度のことなので慣れっこですが、要するに弁護士会の大反対する理由は、行書業務として何らかの紛争処理を伴う業務が加わることが、弁護士業務の利益を損なう、と考え大反対運動を展開しているのだと思われますね・・紛争業務一切は弁護士の独占業務なのだ・・と・・

本来、弁護士法には72条による非弁護士による法律事務の取扱いの禁止という規定がありまして、そこには、

「ただし、この法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。」

と規定されていたのですね、これは弁護士法が弁護士法に別途定めがない限り、非弁護士による法律事務の取扱いは禁止する、という意味で、しかも、当該弁護士法は、その他の法律に定めがあっても劣後しない、ということになっていた・・だから、弁護士会が反対すれば、すなわち、それが正義なのだ、という理屈が法律上成立した、ということなのだ、と解せられますね・・

ところが、昨今の司法制度改革の影響で、このような独善的な正義が通用するような弁護士法は改正しようということになり、H16年4月1日に施行された「司法制度改革のための裁判所法等の一部を改正する法律」により、「法律」の下に「又は他の法律」を加えられちゃったのですよ、これにより弁護士法は自動的に改正となり、以降は行書法と同列の一般法化しちゃったんですね、すなわち、弁護士法の威光は消滅してしまいました・・

そうすると、行書法に別途条文を加えられちゃうとその条文が弁護士法72条に対する特別法となり、優先されることになっちゃったんですよ。だから、行書法改正という動きがでると、弁護士法では対抗することが不可となり、あとは弁護士が個人または団体レベルで場外で反対運用するしかなくなった。

これにより、行書法は弁護士法の呪縛から離脱した、ともいえますね・・