「欧米の急速な利上げに伴う金利の上昇で外国債券の価格が下落したことを受け、地方銀行の債券損益が大幅に悪化したことがわかりました。
全国地方銀行協会 米本会長
「国債等債券関係損益が前年度比マイナス4175億円と大幅に悪化」
全国地方銀行協会の米本会長はきょうの会見で、会員銀行のうち決算を発表した61行で債券関係の損益が前年度に比べ4175億円悪化したと明らかにしました。
欧米の中央銀行がインフレを抑え込むために断続的に利上げを行ったことで、地銀の持つ外国債券の価格が下落し、売却の際に多額の損失が発生したためです。」
アベノミクスによるゼロ金利の国内における悪影響は特に地方経済を直撃する可能性がありますね、いや、非常に懸念されるところです。
経済的に縮小する国内の地方経済を拠点とする金融機関が、海外投資に依存することでドル建て債権が拡大、結果、投資先の金利を引き上げられてしまうと、手持ち運用するドル債の流通単価が下落し、元金割れが発生する、ということなんですね、本来投資時の単価が100であっても当時設定された固定金利水準から市場金利が上昇すると、最終利回りを算ずれば、単価100が水準を割ってしまうということです。
海外債券投資ということになると、債券単価の変動のみならず為替リスクも問題になる。投資先はほぼ米ドルだろうから、円高にぶれるとたちまち収益は赤字になってくる、これは対外投資もそうだが、アベノミクスによる円安誘導により海外投資が促進されてきたのだが、歯車が逆回転しだして、円高ドル安で海外債券投資は単価安とドル安のダブルで損失が拡大する可能性も視野に入れなきゃならなくなる。
現況、地方銀行61行の債券含み損が4175億円、1行平均約70億円でも体力のない地方金融機関であればあるほど危険信号だが、これからドル安株安と連鎖し、投資する劣後債が続々とデフォルトということになれば、体力のない金融機関は続々と倒産、預金者は払戻がしてもらえなくなり、地方経済はパニックが直撃することになる。