「 住宅市場から商業用不動産に至るまで、世界最大の資産クラスである不動産の価値が下落し、経済に信用不安の波を引き起こす恐れがある。
約1750億ドル(約22兆6000億円)相当の不動産関連の債権が既にディストレスト状態だとブルームバーグの集計データが示す。資金が楽に得られる時代の終焉(しゅうえん)と金利上昇による犠牲者が数を増しており、多くの不動産市場が機能をほぼ停止し、一部の貸し手は借り手に対し、資産を売却しなければ担保権を行使すると警告している。
法律事務所ワイル・ゴッチェル・アンド・マンジスの調査報告によれば、流動性低下が影響し、欧州不動産のディストレス水準は過去10年で最も高い。 MSCIのデータに基づけば、英商業用不動産価格は2022年下期に20%余り下落した。グリーン・ストリートによると、米国でも約9%下げた。
商業用および住宅用不動産の開発と取引の減少は、実体経済の支出への影響が避けらず、雇用と成長のリスクになりかねない。
ジョーンズラングラサール(JLL)のローンアドバイザリー・チームのシニアマネジングディレクター、イアン・ガスリー氏は「今回の落ち込みは、かなり特異な経済情勢の組み合わせが特徴だ。金利が不動産と他の企業への打撃を和らげるどころか厳しくしている。価値が下押し圧力にさらされ、キャッシュフローが逼迫(ひっぱく)するデフォルト(債務不履行)予備軍のローンが存在する」と指摘し、今年は「それらの問題が顕在化し始める」と予想する。
JLLによれば、欧州のコーポレートローンの約10分の1が既にアンダーパフォームし、信用リスクが増大している。」
英米不動産バブル崩壊か・・どうする?