今後も対米支援が忙しくなる政府日銀なのであった。

「政府・日銀は急激な円安進行に対処するため、9月22日に2兆8382億円、10月の21日と24日には、介入を実施していることを市場参加者に知らせないように行われる「覆面介入」により6兆3499億円のドル売り・円買い介入を実施、9月、10月の2カ月で9兆1881億円もの巨額の介入を行った。

そこで浮上してきたのが、この巨額介入により、米国が日本を「為替操作国」と認定するのではないかとの懸念だ。米国の財務省は年2回、主要な貿易相手国のマクロ経済と為替政策について「為替政策報告書」を議会に提出する。

同報告書では、不公正な競争政策となる為替政策を実施した国を「為替操作国」、あるいは「監視対象国」として認定し、「為替操作国」が適切な措置を取らない場合には、罰則を科すことができる。

米国での意見

米国では、15年6月に成立したTPA(大統領貿易促進権限)で「米国の貿易相手国が競争上の優位を不公正に得るための為替操作を回避すること」を初めて公式に通商交渉の目的として明記された。

それまでも、米国ではFTA(自由貿易協定)に為替条項を設けるべきとの意見は強かったが、他国の為替介入を制限することは、当該国の金融政策に大きな影響を与えるため見送られてきたが、20年7月に発行したUSMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)で、初めて協定文に為替条項が盛り込まれた。

その内容は、締約国はIMF(国際通貨基金)協定に則し、不公正な競争上の優位を得るための為替操作を避けることを義務としている。さらに、外貨準備高や為替介入データなどを公表すること、締約国に為替レートの不正操作を含む何らかの違反が疑われた場合、締約国の代表による解決を行うことが盛り込まれている。さらに、代表により解決ができなかった場合には、IMFに対して厳格な調査などを求めることができる。

従って、USMCAによってFTAに初めて為替条項が盛り込まれたとは言え、その内容は為替介入そのものを禁止するものではなかった。

3つの条件

米財務省による為替操作報告書では、米国との貿易の輸出入総額が400億ドルを超える国が対象となっており、「為替操作国」、「監視対象国」に認定されるのは、どのようなケースなのか。その認定基準は以下の3つの条件となっている。

(1)年間150億ドルを超える巨額の対米貿易黒字

(2)GDP(国内総生産)の3%を超える大幅な経常収支黒字またはGDP比1%以上の現在の経常収支と長期的経常収支の間の乖離

(3)1年間のネット(純額)の為替介入額がGDPの2%を超える、外国為替市場での持続的かつ一方的な介入

この3つの基準すべてに該当した場合には「為替操作国」と認定され、2つに該当すると「監視対象国」に指定される。

「為替操作国」と認定されると、米国と認定国は問題解決に向け行動計画を策定することになる。さらに、認定国が適切な措置を取らなかった場合には、米国は罰則を科すことができる。一方、「監視対象国」を解除するためには、該当した基準が2回連続(報告書が半期に1回なので、事実上1年間)で1つ以下となることが条件となっている。」

日本は、先の日米戦争で敗戦以降、米軍に軍事支配されている国であるから、非主権国家といえるんですね、だから、外交的においても経済的においても常に米国の国益に資する国でなければならない。

かつて、日本は国内でモノづくりして米国等海外に国内製造商品を輸出して外貨を稼ぐ経済モデルであったが、トヨタやホンダ、パナソニック、ソニーを筆頭にクルマや家電商品等日本製商品が米国市場に溢れかえり、続々と米ドルを日本国内に持ち込むものだから、米国の日本に対する巨額な貿易赤字が積み上がり、日本はけしからん、ということになった。別に不正な競争をしているわけではないから怒られる理由などないのだが、日米間において日本が経済的に優位となっている状態がけしからんということになった。

そこで、日本でモノを製造して米国で販売する形態をやめさせるために、米国は日本に対して強制的為替介入を義務付け当時1ドル240円を強制的に120円にまで円高にして、輸出価格を2倍に引き上げさせ事実上輸出禁止令を発動したわけですね。

そこで、当時未開の地だった中国に工場ごと移転して、米ドル建てで対米輸出をすることになった。中国は米ドル建てで交易をする見返りとして、日本に対中投資の際は、日本の子会社を作ることを認めず、中国に投資したものは日本に還流しない仕組みにした。だから、日本企業は中国でモノを製造して米ドルで輸出し、帳簿上それを日本国内の売上に計上するという特殊な経済モデルを強いられた。

日本国内の半導体工場は軒並み中国等第三国に移転し、技術も資金も全部第三国に持っていかれた。何せ、外国で製造活動を行い米国で消費するという経済モデルなのだから、日本国内の製造部門はほとんど外国に無条件で流出することになる。だから、80年代以降日本は常に資金や技術流出を繰り返すからデフレ経済となり、製造分野も消費分野も低迷する不況国家になった。

だから、海外の経済活動は活発だけど日本国内の経済活動は実質消費だけになってしまうから、米ドル建てのGDP(国内総生産)は世界でダントツに低迷、加えて、米国は政府日銀に命じて日米間の金利格差拡大させる政策を強要し、アベノミクス(対米経済支援政策)を強要することになった。加えて、消費税導入による国内経済は低迷を極めた。これらの影響で日本経済はますます低迷することになった。そして、今後もますます低迷しやがて壊滅する方向になっている。