教唆罪、幇助罪が成立する可能性も・・

「2003年3月の刑事裁判の最高裁決定は、96年4月の判決を踏襲しつつ、誤入金であることを知りながら銀行の窓口で告げずに払い戻しを受けた場合は詐欺罪が成立すると判断した。山本和彦・一橋大教授(民事法)は「預金を引き出す権利に一定の制限があることが明確になった」と指摘する。

 今回の事件はネットを通じた出金だったことから、電子計算機使用詐欺容疑が適用された。山本教授は「誤入金を知った場合は、すぐさま金融機関に知らせるべきだ」と話した。」

巷では色々な意見や解釈等があるようですが・・

法律的判断とすれば、誤送金であることに悪意を前提として払い戻しをした場合は、詐欺罪が成立するということですね。

先の事件は、町が田口容疑者に誤送金である旨通知し、町の職員が田口容疑者の元に行って、払い戻すことに一度合意して、銀行の窓口まで行ったところ容疑者の気が変わり、払い戻されなかった、ということなので、町が容疑者に通知した時点で、容疑者は悪意に転じ、払い戻すことに合意した時点で町と容疑者との間では契約が成立し、同時に権利義務が発生しているのですよ。

まず、容疑者が銀行窓口まで行って払い戻しを拒否した時点で、契約上の債務不履行が発生、その後、銀行口座から振り込まれた金員を他に振り込むなどして払い戻しがされた時点で民事責任とは別に刑法上の詐欺罪が成立する、ということです。

また、容疑者が振り込まれた金員を払い戻すにあたり、他者のアドバイスを受けていた場合は、そのアドバイザーに対し教唆罪、幇助罪が成立する可能性もありますね・・場合によっては、共同正犯との判定を受ける可能性もある・・そうすると当該事件に関してまだまだ尾びれがついて話題満載となり、ワイドショーは大忙しですね。