行政書士試験に合格すれば司法試験を受験できる、とすればいい。

「法務省は、2022年司法試験出願者数の速報値(2月9日現在)を3367人と発表した。出願者数は新試験に一本化された2012年から減少を続け、2021年に初めて4000人を下回ったが、2022年も減少傾向は止まらなかった。 出願者数の男女構成は、男性が2311人(68.64%)、女性1056人(31.36%)だった。 また、受験資格別の出願者数は、ロースクールの修了者(見込み含む)が2873人で、予備試験合格者が410人、ロースクール修了見込みで予備試験合格者は84人となっている。 出願者数を選択科目別に見ると、労働法1000人(29.70%)が最も多く、経済法640人(19.01%)、知的財産法509人(15.12%)、倒産法457人(13.57%)と続いた。 試験地別では、東京都が1837人(54.56%)と半数を超え、大阪市762人(22.63%)、福岡市213人(6.33%)と続いた。」

司法試験制度は新制度に移行して以降、弁護士資格を得る機会は倍以上に拡大して難易度は下がり受験しやすくなったはずなのに、人気に低下傾向が止らず全くの閑古鳥状態になっております。理由としては、原則としてロースクールに2年ないし3年通わねばならないことですね・・これが一番の原因だと私は思います。

私が行政書士試験を受験した理由は、とりわけ行政書士になることを希望していたわけでも何でもなく、単にその場の思い付きで受験しただけなんです。まあ、自己研鑽というのか頭の体操程度のつもりで、全く気軽な気持ちでしかなかったんですね。行政書士試験は、誰でも受験できるしある程度の法律の知識があれば問われる論点もそれほど専門性も問われませんので、長時間暗記するような作業もさほど必要ない。しかし、法律の試験という点では変わらないので、司法試験や予備試験とは科目は被ってしまうんです。

法律を理解するのに難しいのは実体法の理解で、例えば、行政書士試験の科目としては、憲法、行政法、民法、商法会社法、基礎法学、一般知識、ということになっています。一方、司法試験、予備試験は、憲法、行政法、民法、商法、民事訴訟法、刑法、刑事訴訟法で、7科目のうち特に中核となる 憲法、行政法、民法、商法 は共通科目になっています。まあ、だから、行政書士試験と司法試験・予備試験は同種の試験といえます。その大きな違いといえば、行政書士試験は択一試験+民法2問、行政法1問の記述ですが、司法試験は各科目の択一(短答)と論文試験、口述試験があります。だから、行政書士試験合格後は、民訴法、刑法、刑訴法と選択科目として破産法を追加すれば科目はカバーできることになる。民訴法、刑法、刑訴法、破産法自体は刑法以外は手続法の範疇でそれほど理解が難しい科目でもないので、実は、私は行政書士試験を合格後は、登録して行政書士業務をするなどはせずに司法試験を受験しようかな、と考えていたんです。目的は、弁護士になりたいなどではなく、単に頭の体操程度の一種の自己研鑽などカルチャーセンターにでも行くつもりで気軽に考えていたんです。

それで、割と近所にある大阪市大のロースクールに電話して夜間コースに入れますかと電話したら、夜間はない、というんですよ。私は日中仕事をしているから夜間でないとムリ。電話口で、「もしかして、昼間丸々時間が潰れるんですか」と聞くと、「その通りです。」というので、早々にロースクールは諦めました。それで残された道は、予備試験しかないんですね。予備試験は、ロースクールに行かない場合の司法試験を受験するための要件になっているんですが、仮にその試験を突破して司法試験受験資格を得て合格したとても、司法修習が必要になる。実務研修のようなものでかつ終了試験に合格しないといけない。しかも1年間缶詰にされることを考えるとムリという結論になっちゃうんです。

結局、司法試験の不人気というのは、試験が難しいとかそのような理由ではなく、時間が強制的に拘束されるという点で、私のような社会人は実質的に受験できない制度になっていることが原因なんですね。行政書士試験は司法試験と試験科目が被るので、司法試験受験生が多く受験する試験で、行政書士試験合格者の半数が司法試験受験生ということですから、どうせ、不人気で誰も受験しない予備試験の代わりに行政書士試験に合格すれば司法試験を受験できるという制度に変更すればいいんですよ。そうすれば、私も気軽に司法試験を受験しますよ。但し、司法修習のようなものは受けるつもりはないので、弁護士にはなる予定はありませんが。私は色々と忙しいのでね。