「平均賃金や一人当たり実質GDPなど、さまざまな経済指標で日韓の逆転が始まっている。
数字で見る両国の競争力の逆転・拮抗状況は顕著だ。世界競争力年鑑2021(IMD)では日本が31位で韓国は23位、世界製造業競争力指数(’20年、国連産業開発機構)も日本は5位で韓国は3位となった。日本経済研究所の試算によれば、’27年には一人当たり名目GDPでも韓国は日本を追い抜くと予想しており、日韓逆転の流れはやみそうにない。
政府や経済界は危機感を募らせているが、多くの国民も「失われた30年」を嘆き、日本経済の行く末を本気で心配する視点や議論が頻繁に見られるようになった。」
この間、東大阪商工会議所主催で京大教授の藤井聡氏の講演会が上六のシェラトン都であったので行ってきました。その講演会で藤井教授曰く、日本のGDPが低迷する主たる理由として、消費税増税である、と結論付けておりましたね・・
確かに消費税増税は短期的に国内消費促進を妨げる原因になり得る、と私も思いますが、中長期的にみると、国内限定で課した消費税はいくら増税しても結局は国内で一度政府に吸い上げられ、再び政府の支出により還元されるので、政府の赤字拡大継続する限りにおいて、景気低迷となる原因にはなりえないと私は思いますね。
外国との比較において、各国のGDPの規模に比して日本のそれが低迷するように見えるのは、実は消費税が原因ではありません。一番大きな原因としては、円ドル為替レートの問題なのですよ。世界各国のGDP(国内生産)の表示は、すべて米ドルでされるのです。その米ドルは実は膨張し続けており、ついにはインフレ通貨になってしまっているんです。米国国内で物価が急上昇するのは、米国内においてその通貨の実質的価値が急減していることを意味する。そのインフレ通貨を基軸として経済規模を表示するから日米又は米ドル基軸通貨ベースの、例えば、中国や韓国その他東南アジア諸国などのGDPが急拡大し、一方で日本のGDPが減少したように見えるのですね。
しかし、日米為替は自由に市場で取引されてるではないのか、その自由な取引の結果、例えば1ドル115円なりが円のドルに対する価値であるから、日本のGDPは世界経済に対して縮小しているのではないのか・・まあ、一般的にはそう考えるでしょう・・しかし、違います。
結論をいうと、インフレにより価値の急減する米ドルを政府日銀は市場介入し続け円で強制的に買い続けているからです。これにより、日本だけが孤立した日米為替相場が表示され、日本国内経済を示すGDPが縮小したように見えるというだけのことです。
ズバリいうと、「政府日銀が実態経済を無視した極端な円安誘導をしているから」が原因なんです。解決方法としては、日銀が従前の政策を変更して、国債を民間に開放すればいいだけ。そうすると急激な円高になり、恐らく1ドル50円くらいになり、さらに円高になる可能性もありますね。円高になるほど米ドル表示すると巨大な日本経済の存在が表現されてしまう。そうすると米国からバッシングされてしまうんですね。だから、日本は負け続けているように見せなければならない。これが一連の実態というものです。
だから、先の藤井教授のいうところの、日本のGDP縮小の原因が消費税説はピント外れ、というのが私の分析です。