「定年退職金は平均2090.6万円
定年退職したのは1万2714人で平均退職手当は2090.6万円(2068.0万円)、うち行政職俸給表(一)適用者は3825人(定年退職者の約30%)で、平均退職手当は約2140.8万円(2152.3万円)です。では、年齢別の定年退職者数と平均退職手当を見てみましょう。
( )内は平成30年度の退職手当額です。
●常勤職員
定年退職者1万2714人/平均定年退職手当2090.6万円(2068.0万円)
<内訳>
・50~54歳……3803人/1836.5万円(1848.3万円)
・55~59歳……711人/2408.7万円(2428.4万円)
・60歳以上……8200人/2180.9万円(2180.0万円)
●うち行政職俸給表(一)適用者
定年退職者3825人/平均定年退職手当2140.8万円(2152.3万円)
<内訳>
・60歳以上……3825人/2140.8万円(2152.3万円)
退職金額別の受給者数の割合
定年退職手当支給額別の受給者数の割合が最も高いのは、常勤職員・行政職俸給表(一)ともに2000万~2500万円未満でそれぞれ52%、79%を占めます。次いで1500万~2000万円未満、2500万~3000万円未満と続きます。
●常勤職員
・2000万~2500万円未満……6672人:52%
・1500万~2000万円未満……4003人:31%
・2500万~3000万円未満……1143人:9%
●うち、行政職俸給表(一)適用者
・2000万~2500万円未満……3006人:79%
・1500万~2000万円未満……505人:13%
・2500万~3000万円未満……258人:7%
ちなみに、常勤職員の1.1%に高額な退職手当が支給されています。内訳は、4000万~5000万円未満が267人(うち定年退職83人)、5000万~6000万円未満が77人(うち定年退職者7人)、6000万~7000万円未満が43人(うち定年退職者15人)、7000万~8000万円未満が4人(うち定年退職0名)。
行政職俸給表(一)適用者だけを見ると、3000万~3500万円未満が20人(うち定年退職者3人)、4000万~4500万円未満が1人(定年退職者1人)です。
民間の退職一時金は約1700万円
国は国家公務員と民間企業の退職金の格差を約400万円とし、平成25年から国家公務員の退職金を段階的に引き下げました。その時に想定した民間企業の退職金は一時金1041.5万円+企業年金1506.3万円です。
平成28年8月に行った「民間の退職金及び企業年金と国家公務員の退職給付についての調査」(人事院/平成29年4月公表)によると、国家公務員と民間企業の退職金の格差は80万円まで縮小しました。
●民間:約2460万円(退職一時金1006.1万円+企業年金1453.5万円)
●国家公務員:約2540万円(退職手当2314.1万円+共済年金給付223.6万円)
*年金分は退職時点で一時金として支給するものとして計算。
出典:民間の退職金及び企業年金の調査結果並びに国家公務員の退職給付に係る本院の見解の概要(人事院/平成29年4月公表)
民間の退職金は年々下がっており、「平成30年就労条件総合調査の概況」(厚生労働省/2018年10月23日公表)によると、民間企業の大学卒の定年退職給付額は、退職一時金制度のみでは1678万円、退職一時金制度と退職年金制度併用は2357万円でした。民間と公務員の退職金の格差は続きそうです。」
これらのデーターによると、公務員が60才で定年退職した場合の退職金は、2100万円が平均らしい。
一方、民間の場合の平均は1700万円ってことだけど、これは例によって大企業の平均ってわけだろう。本来、公務員の所得と比較する対象は国民全員だから、日本全国のずべての事業者の平均とすべきところ、一定規模の事業者を対象にしているため、民間の平均値は実態よりも相当高いものと思われる。
国家公務員の生涯賃金は約2億4000万円、政令指定都市で約2億3000万円、都道府県で約2億円、その他市町村で平均1億9000万円、ということらしい。
そうすると、民間企業で生涯賃金は2億円程度が適正なのか。だいたい、各種手当や賞与なども含めて、勤続40年の平均年収が約500万円。
だから、年収500万円より高ければ高収入といえるし、低ければ低収入というわけなんだろう。