和解嫌いでしたが・・

私は当法務事務所以外に会社経営を30年ほどやっておりまして、あっちこっちに債権を持っているんですよ・・時に債権回収がうまくいかず焦げ付いたりします。そんな時に最終的にはやむを得ずに、自分で訴状や準備書面を作成して裁判所に提出して、支払いをしない債務者に金銭債権の請求をしたりします。

債務者の所在地が時に東京、時に広島、時に岡山、時に秋田、時に静岡、時に北九州、時に鹿児島・・など・・全国にあって、なかなか債務者を捕まえるのは大変な作業です。なかなか苦しめられます・・

通常、訴えを起こす場合は、債務者の所在地を管轄する裁判所に訴状を提出しますが、私の有する債権は金銭債務だから債務者側からすれば持参債務となり、債権者である私の経営する会社の所在地を管轄する裁判所に債務者を呼び出すことになります。

訴状等を裁判所経由で特別送達で債務者に郵送されますが、受取を拒否されたりもします・・どうしても相手方が受け取らない場合、公示送達という手もありますが、はっきりいってドツボです。基本的に公示送達で債権回収は非常に困難です。債権の時効中断という意味しかないでしょう。あまり有効的手段とはいえません。

相手方が捕まり、答弁書を裁判所に提出してきた場合で話が煮詰まってくると、裁判所から必ず「和解しませんか」と呼びかけれるんです・・不法行為に基づく損害賠償請求なら常に和解という話はありえることですが、債権は、そもそも契約上債務不履行をして、債務者が一方的に支払いをしないものだから、私はキッパリと「和解はしません」と言うんです。裁判所はもう黙って支払い命令を出してくれ、と。

ところが、事件を担当する裁判官によっては強引に和解を強要する場合があるんです。いつも、やりきれない気持ちで和解に応じなければならない場合もあるんですよ。実は、最近もそのような事案がありまして・・

しかし、不服ではあるが、和解に持ち込んだ場合、意外に債権回収に効果がある場合があると最近になって思い出したんですよ。

大体、こんな感じかな・・

令和3年(〇)第○○号 ○○請求調停事件

                 決定 

別紙当事者目録記載の当事者間の頭書事件につき、当裁判所は、当事者双方の衡平その他一切の事情を考慮して、民事調停法17条に基づき、次のとおり調停に代わる決定とする・・

和解となると、わざわざ債務者と交渉することなく支払いを待ってりゃいい。

面倒くさくなくていいな・・とか思うようになりましたよ。裁判に要する費用はすべて自己負担にされてしまうのが痛いが、何とかなんとか元金でも長期を要しても回収できたもん勝ちともいえるから・・やはり、粘り強く頑張るのが一番かな・・調停も効力があるかな・・と思うようになりましたね‥トホホですが。