「遠きを到めようと思えば、平生に体を落ち着け心身に違和の無い様に、狂いの無い体を作っておかなければならない。 静かな息を出来るだけ保たないと、遠くへはいけない。」・・という諸葛孔明の言葉なんですが・・
何のこっちゃですね・・かの徳富蘇峰が、この諸葛孔明の言葉をもって、「致遠館」と名付けた建物がありまして、大正5年3月に、大丸心斎橋店などを設計した建築家として有名なヴォーリズが設計したとされる教室として竣工した建物が同志社大学にあるんです。
同志社大学には明治時代に作られた赤レンガ造の古い建物が今だ現役で残されており、国の重要文化財に指定されている建物も点在しております。
同志社大学のキャンパスは学生以外にも開放されており、どなたでも自由に見学することができます。この古い物好きの同志社が、重要文化財には指定されてないが、重要文化財に相当する文化財として価値があると考えられる「致遠館」を解体するという計画を聞き、一人愕然としたのですよ。
確かに、今出川キャンパスは手狭で、だからこそ、京田辺市に広大なキャンパスを開校したのだと思う。京田辺キャンパスは大学だけで少なくとも70万平米、女子部と中高一貫校のキャンパスやその他道路部分などを加えれば敷地面積は100万平米は超えるだろう。
なのに、同志社は文化財として価値のある「致遠館」を解体しなければならなかったのか・・私は一人嘆いたものだ・・
私が一人地団駄踏んでも解体計画に変化あるわけでもないから、解体と新たな建築の過程を見守るしかない。実は、密かに6カ月程度ごとに同志社の建設現場を訪問して、建設の様子をチェックすることにしたのです。
昨年年末に訪問したから、昨日訪問して参りました・・
見事完成しておりました・・新生「致遠館」。
一見すると旧館と見間違うくらいにそのまんまのデザイン、レンガ造のイメージは材質感もそのまま新調しましたというもの。
そういえば、大丸心斎橋も外形は旧のイメージを残したまま最新性能の建物にするものだった・・今後の主流なのかな・・
旧建物そのものは、恐らく耐震性能不足等の理由があったのかもしれないが、消滅したこと自体は残念だが、まあ、大学はこれを「改築」と称しておりますがね・・まあ、80%程度納得・・諸般の事情を鑑みて、我慢の範囲内というところ。今後のキャンパス整備計画はどうしていくのかね・・要注目です。