令和元年12月4日に公布された「行政書士法の一部を改正する法律」は、令和3年6月4日から施行されます。

「行政書士の業務の安定性を確保し、国民に対するより質の高いサービスの提供を
確保する観点から、所要の措置を講じる必要がある。
① 法律の目的に「国民の権利利益の実現に資すること」を明記
② 社員が一人の行政書士法人の設立等の許容
③ 行政書士会による注意勧告に関する規定の新設」

改正行政書士法が来月4日から施行されるのだが、何が変わったのかって、実務的には、上記②の一人行政書士法人の設立が可能になったことでしょう。

従来では、二人以上の行政書士がいないと行政書士法人が設立できなかったから、今後は気軽に本人の思い付き次第で行政書士法人が設立できることになった・・とかいうことなのかと思いますね。

法人化するメリットとしては、本人が社会保険に加入できることと営業拠点がどこでも作ることができるということだろうかな・・

しかし、従来の国民保険から社会保険に乗り換えってメリットあるのかどうなのかって微妙だな・・って思うな・・私的にはすでに会社経営者であるので、社会保険には加入しているから、強いて行政書士法人のメリットとしては、営業拠点を複数できるというところなのか・・しかし・・拠点を増やしても経費が増えるからな・・微妙ぉぉーって感じ。

その他、上記①に関しては、「国民の権利利益の実現に資すること」が明記されようがされまいが何ら実務に変化なし。ホントは、「権利利益の擁護に資する」としたかったみたいだけど、また例によって弁護士会やらから横やりが入ったのだろうかな・・

何せ、弁護士会とやらは、先からの司法制度改革に流れに反して徹底して弁護士会の利益温存を第一に掲げ、行政書士など他士業が司法に関与することに大反対しているからです。

その最大の反対ネタは・・「現行の行政書士法1条は,単に「この法律は,行政書士の制度を定め,その業務の適正を図ることにより,行政に関する手続の円滑な実施に寄与し,あわせて,国民の利便に資することを目的とする。」と規定するものでしかなく,この規定の新設をもって,行政書士の権限の範囲が従来よりも拡大されたと解することはできない。」・・というもので、行政書士の目的定める第1条に、「行政に関する手続きの円滑化に寄与する」「国民の利便に資する」ことなのだから、権利義務に関する業務はその対象ではない、とかいうものです。

つまり、弁護士会は権利義務に関する民亊法務は弁護士法72条の「その他法律事務」にあたり弁護士独占業務である旨主張しているのですね・・だから、そのような弁護士会の攻撃ネタを緩和するために、行書法改正が必要になったのかな・・とか私は理解しておりますけどね。

だから、6月4月以降は、弁護士会が「現行の行政書士法1条は,単に「この法律は,行政書士の制度を定め,その業務の適正を図ることにより,行政に関する手続の円滑な実施に寄与し,あわせて,国民の利便に資することを目的とする。」と規定するものでしかなく,この規定の新設をもって,行政書士の権限の範囲が従来よりも拡大されたと解することはできない。」とか主張したところで、「国民の権利利益の実現に資すること」が行政書士の業務上の目的となっておりますが・・とかツッコミを入れることができる、とかいうことなのか・・と思われますね・・

漫才のボケとツッコミにようなものですが、それを考えると、行政書士法に「国民の権利利益の実現に資すること」を追加することで、当事者間での紛争に係わる部分であっても、「国民の権利利益に実現」に必要な範囲で不可欠である、とか解釈が可能になるのか、と思いますね。